吟詠つれづれ

「 日本の心を謳う 護国神社 奉唱 」

とても良い季節。とは申せど、桜は早めに散っており 春爛漫から新緑の季節へと明らかな移ろいを感じております。

今日は、高知県護国神社にて奉唱のお役目を務めて参りました。この春季大祭には毎年年度初めの最初の月曜日と決まっている日程とのことで御座います。

わたしのお役目はと言いますと予め日頃より短歌を詠まれておられる方々からの沢山の作品のうち、選歌十首、選者三首うち、三首を選び、朗詠するというもので御座いました。

一首一首の作品には、ご家族、ご親族の御霊安らかにと願う気持ちがよく感じ取られ、三首だけということでしたので内心選ぶのに戸惑いました。どれもこれもが素晴らしいからです。

戦後七十三年。すっかり様変わりした日本。

ご参列の方々は、ご年齢が高い方、又、その子供世代で一杯でした。しかしながら十年前にはもっと賑わっていたのではないかとも感じました。継承することがこれもまた必要不可欠で御座います。

そのような中、知事はもとより県内にて政治を司る方々、衆議院議員の先生、参議院議員の先生、遺族会の代表の方、高知の自衛隊の代表の方、‥‥多くの方々の祈りが社にこだまし、とても清々しい気に包まれました。

ふわりっと桜の花びらが一枚、わたしの足元に舞い落ちてきて、まるで祖母がここに来て喜んでいるように感じ、なんだかとても有難い気持ちになりました。

戦争という過酷な喪失を前に、誰もがこの平安の価値を見失ってはいけないのだとつくづく感じました。

わたしも宗家に吟詠を教えて頂き、このような実感を得る経験を得られたことに、せつないような時間の流れの傷みを思い、感謝の気持ちで一杯です。

本日は、英霊の御霊をお慰めする日。軽々に携帯で写真を撮るような無粋なことは憚られ、自宅に帰りての一枚と致しました。

秀宗