吟詠つれづれ

「 佳賓好主 〜佐藤一斎 」

こんにちは。

気がつけば、二月となり、目に映る景色も色彩を帯びて変わってまいりました。

私の家の近くでも、清々しい梅の枝先に気品に溢れた花がほころび、寒さの残る中であってもその勢いに

つい立ち止まってしまいます。

梅の姿は、まるで背筋の通った女性のようです。

今月の25日には、高知市の老舗料亭「得月楼」にて当流の「新春初吟会」を予定しています。

「得月」は毎年恒例の「盆梅」で大変賑います。その大広間でのひととき。

梅を愛でつつ、吟と舞の舞台を鑑賞すると言う・・・贅沢を皆さんと共に過します。

ちょうどこの時期、私のお教室では佐藤一斎の作で「佳賓好主」をお稽古しております。

月と梅とを「好主」と「佳賓」とに例えた漢詩です。

主と客。あたかも茶室のような設定です。

明るく照らし出だす月影。その先で芳しい香りを漂わせる梅の花。

その場には静謐なムードが満ちつつも、絶景が醸し出す充足に言葉すら不要な世界が広がっています。

静かな「充足感」。

明日のための密やかなよろこびを漢詩から・・。