秀鳳流について

吟道信条

高唱清吟を以って一朝を迎え
  高潔清唱を以って一夕を送る

常に魂を練り 大地の如き、己の精神涵養に励み、中道の気を求めるべし。

先哲、偉人の心情は過ぎたる遺物に非らず、能く古今の世代と、史実の探求に心し、喝破された偉傑の精神に、ふれることを力めてなし、その理りを知るべし。

自ら衿を正し、常におごる事なく、無心の中に社会の道しるべとなるを思い、相励まし研練すべし。

吟道、吟道、是清気
  吟道は天地無窮の心なり

(宗家 野中秀鳳)

「吟詠」つまり「吟ずる」ということは、自分という一生見つめ続ける唯一無二の存在の中に、「生の感動」を自らの手によって運ぶ作業と言えるものだと存じます。自然界のあらゆる植物が、燦燦と降り注ぐ太陽のもと、光合成を繰り返し、その生命を輝かせる尊い営みにとても似ております。

そもそも古くを紐解けば、「吟詠」には、伴奏などはございませんでした。自分の身体が生み出す「息」というものに「声」という「色彩」を乗せ、その「色彩」に選りすぐりの「思い」を「深み」として込め、あたかも、大宇宙に向けて解き放つような、神秘的な作業が「吟ずる」という行為でございます。

自己をあらゆる「相対観」、つまり比較の価値観の中に見出すことが多い昨今、自己をその存在の中に確かに「感じ取る」ことが可能なこの「吟詠」は、多くの人々を疑うことなく自然の一部であると安堵・肯定させ、今日の多様な価値観の中において疑うことなく立ち返すことのできる場所を、おひとりおひとりの内面に養うものでございます。秀鳳流の吟詠は、その道程を説くものでございます。

当流は「芸道の発展継承のための組織」である。それゆえ芸の伝達をする立場の者と芸の伝達を受ける立場の者との間に秩序を必要としています。

素晴らしく価値のあるものは、価値あるものとして伝えられる必要があります。さらに、この感性が芸を習う者には必要です。なぜならば、この感性こそが「次代」への文化継承への「のりしろ」となるのです。

芸の道を共に歩む者は互いに修行者であるから、互いに敬い、互いに助けることが必要となる。それぞれの芸の上達の為にはどこまでも自分の芸に向き合うこができる謙虚な姿勢が必要となる。これがまさしく「精進」、
「親しいことと不作法であることは異なる」所以です。

当流宗家の吟法は 宗家から流派の中で師格者(指導格の者)に月に二回のじきじきのお稽古を通して伝授されます。
「雅美風流」の吟風は、他と個性を別にして芸術性が高く、その芸風はこの場所でのみ伝えられます。
呼吸を基礎とした吟詠は、楽譜で教えることでは全く完成されず、こうした師弟の芸道に向き合う時間を通して身に付くものと考えています。

師格者の先生は、それぞれの教室においてその吟法を弟子に伝授するようになっており、この相互の循環が、それぞれの立場を敬う教育の基礎となっています。

これが、秀鳳流の「吟道」です。

秀鳳流 吟詠の特徴

1 邦楽的読みの情感豊かな吟詠です。

2 アクセント指導が徹底しています。

3 実感のある節調です。

4 流れの良い吟詠です。

5 高い指導レベル。

秀鳳流日本吟詠会 宗家/野中秀鳳 プロフィール

秀鳳流日本吟詠会宗家/野中秀鳳

◆秀鳳流日本吟詠会 総本部 会長宗家
◆公益財団法人日本吟剣詩舞振興会 顧問
◆公益財団公認・高知県吟剣詩舞道総連盟会長
◆日本コロムビア吟詠音楽会 常任理事
◆四国漢詩連盟 会長

◆平成18年高知県文化振興功労賞(高知県知事賞)受賞
◆平成25年度日本吟剣詩舞道功労大賞受賞
◆平成29年2月 日本コロムビア吟詠音楽会 特別功労賞

秀鳳流日本吟詠会 二代目家元/野中秀宗 プロフィール

◆秀鳳流日本吟詠会 二代家元

【 受賞記録(抜粋)】

平成10年  吟詠稽古再開
平成15年  高知県詩吟剣舞連盟最高峰クラス「A1」優勝  
平成16年  二代家元襲名披露  「箱田秀宗」となる

平成20年~26年
全国吟詠コンクール 高知地区大会 優勝
          四国地区大会 優勝
少壮吟詠家コンクール四国地区連続代表
四国吟剣詩舞選手権  高知地区代表

平成22年       
日総連吟詠コンクール全国大会  8位

平成26年10月12日 
第52回 四国吟詠剣詩舞選手権大会 優勝

平成26年9月15日 
(公財)日本吟剣詩舞振興会 
    全国吟詠コンクール決勝大会  3位

平成27年~平成29年 12月開催
     日本コロムビア全国名流吟詠大会 
        「日本コロムビア紅白吟詠合戦出演

平成27年3月8日 
(公財)日本吟剣詩舞振興振興会
 第四十三回 全国少壮吟詠家審査コンクール決選大会
                      第一回入選

平成28年3月6日  
(公財)日本吟剣詩舞振興振興会
 第四十四回 全国少壮吟詠家審査コンクール決選大会
                      第二回入選  

平成30年3月11日
(公財)日本吟剣詩舞振興振興会
 第四十五回 全国少壮吟詠家審査コンクール決選大会
                      第三回入選 

   現在 少壮吟詠家候補生 
 
   (株)日本コロムビア吟音会 正会員 
(財)公認高知県吟剣詩舞道総連盟 副理事長 
   高知県詩吟剣舞連盟 副会長